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***カタチ造るモノ 3 ***
コンコン━━━━━━━━━━
「はーい」
千尋が洗濯を始めた所で部屋のドアがノックされる。
……まぁ、三つ子なんだろうけど。
「どーぞ♪」
ドアを開けると同時に笑顔で迎える。
「「「亜朗っ♪」」」
「ぉっ……と」
3人同時に抱き着かれ少しよろけながらも、部屋の中まで連れて行く。
「あ、三つ子いらっしゃーい」
「みっちゃん、ちゃんと洗濯してきたか?」
湊斗と千尋が3人に声をかける。
「な、気になってたんだけど、その『みっちゃん』て、何で?」
湊斗が千尋に問い掛けると、千尋は「三つ子だからみっちゃん」と笑う。
湊斗も「単純~!」と笑い、三つ子に抱き着かれている俺を見てまた笑った。
「すげぇ愛されてんね?亜朗♪」
優しく笑う湊斗に、三つ子も悪い気はしないようで。
「湊斗、亜朗は駄目だからね!」
「亜朗は僕らだけのだから!」
「俺らの亜朗、可愛いでしょ?」
ニコニコしながら独占欲を丸出し。
「うん、可愛いよね、亜朗って♪」
……………え…………………。
ピシャーーーンッッ!!━━━━━━━━━
何故か雷の様な音が聞こえた気がした。
……あ、三つ子固まってる。
「ふーん?湊斗って亜朗みたいのタイプ?」
面白がって千尋が喰い付く。
「ん?うん。凄い好みの顔♪」
「えぇっ!?み、湊斗っ!?」
そんなハッキリ言われると流石に恥ずかしい……。
さっきから無言の三つ子をチラリ、と見るとすっごい顔で湊斗を睨んでた。
三つ子の纏う不穏な空気に気付かず、湊斗は言葉を続ける。
「これで亜朗が女の子だったらな~って思う。そしたら三つ子と千尋に負けじと参戦するんだけどね?」
あははっ!と楽しそうに笑う湊斗。
………あぁ、そういう事……。
「どうせ女顔ですよー……」
「ごめんごめん、悪気があった訳じゃないから拗ねんなって!」
フッ、と解かれた三つ子の不穏な空気に安心して、湊斗に拗ねてみせた。
グイッ!━━━━━━━━━━━
っ!?
「……あーちゃん、あーちゃんは男とか女とか関係なく可愛いよ?俺、あーちゃんがあーちゃんだから大好きなんだよ?」
想が両手で俺の頬を包んで自分の方を向かせると、本当に愛しそうな顔でそんな事を言う。
「ホントに大好きだからね……」
チュ、と言葉と共に、そっとおでこにキスされる。
…………ッッ!!ちょっ……待って……っ!
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