***カタチ造るモノ 3 ***

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「ったく……亜朗はみっちゃんにホント甘い。甘過ぎ」 「千尋が俺に甘いのと一緒だよ?」 「…………そうきたか……」 小首を傾げて言い返すと、千尋は苦笑い。 「じゃ、しょうがねぇなぁ♪」 千尋が三つ子の頭にポン、ポン、ポン、と優しく手を乗せる。 何だかんだ、千尋だって三つ子に甘いよね? 「ぅわ、広い……!」 6人で食堂に来て、その広さにビックリ。 それもそうか。学校の学食と違って寮生全員がここで食事摂るんだから。 「……ねぇ、何でこの真ん中の列だけ誰も座ってないんだろ?」 葉の言葉に視線を向けると、テーブルと椅子はあるのに誰も居ない。 「あー……アレじゃない?」 千尋が腕組みしながら、サッと視線を食堂全体に巡らせる。 「アレってもしかして……?」 「ま、取り敢えずご飯決めて席に着こ?」 「うん……」 券売機の挿入口にカードタイプの学生証を通して、メニューを選ぶ。 トラブル防止の為、現金は手元には置いておかないという規則があるから、実質この学生証が現金みたいな物。 ちなみに1Fにあるコンビニも、各階にある自販機もこの学生証で支払う形になっていて、それぞれの場所での使用データが残り、月1で自宅に送られる仕組み。 ちゃんとご飯食べてるか、とか家の人が心配する部分がきちんとフォローされてる。 「あ、釉!そっちじゃなくて俺らはこっち」 空いてる席に向かおうとしてた釉の背中を湊斗が突っつく。 「亜朗、後でそれ一口ちょうだいね♪」 「うん、いいよ♪」 やったー!と笑顔になる葉。 …………………………………。 ……うーーーーーん、半端ないね、この視線の数々。 今更ですけど、俺以外のこの5人、相当なイケメンですからっっ! 男から見てもイケメンですからっっ! 全員180前後の身長で、スラリとしたモデル体型だし。 千尋はちょっと強面で目付きが鋭いけど、それが男らしくてカッコいい。 斜めに流してるサラサラの黒髪も綺麗。 三つ子は皆同じような顔なんだけど、よく見るとやっぱ違う。 想は少しタレ目がちで、少し天パでフワッとしてて、見るからに優しそうに見えるから、凄く女子ウケがいい。 口数少ない分、目力が強いっていうギャップも女子に言わせるとキュンと来るらしい。
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