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釉もタレ目がちなんだけど、想や葉より少し目が大きくて、そっちの印象が強い。
1番天パがきついのは釉で、それを気にしてるからなるべく短くしてフワフワ&クリクリで、敢えてモカブラウンの色に染めてる。
これがまた似合うんだよね♪
葉は1番タレ目。タレ目がちなんじゃなくて、タレ目。
天パは邪魔って言って、髪を結べる程度の長さにして大体いつも1つに結んでる。
で、重く見えない様にって春休み中に何故かミルクティーみたいな色に染めた。
……正直、新人ホストにしか見えないんだけど、本人が気に入ってるので俺は何も言わないよ……。
湊斗は今日会ったばかりだけど、間違いなく人目惹くだろうって見た目。
ちょっと短めの赤茶色の髪を、無造作に散らしてる。
無造作ヘアは、全く無造作ではない…という感じ。
目は一重で切れ長。
今日何度も見たけど、笑うと目が無くなる所が凄く可愛い♪
…………一生懸命5人のカッコいいとこ考えてたら、何か切なくなってきた……。
「…でいい?亜朗?」
呼ばれてハッと顔を上げる。
いつのまにか下を向いてしまっていたらしい。
「ごめ…、聞いて無かった」
「ん、あっちの奥の席でいい?って聞いてた」
千尋がトレーを片手で持ち、空いた方の手をそっと背中に添えてその席の方向を向かせてくれる。
…………千尋のこういうスマートなとこ、本当にカッコいい……っ!!
「へ?内部生VS外部生?」
釉がオムライスを運ぶ手を止めて、千尋の言葉を繰り返す。
「そ。この皐月学園て、中等部と高等部があるだろ?中等部からの奴らが内部生。高等部からの俺らみたいのが、外部生」
千尋は器用に青椒肉絲のピーマンを箸で隅にどかしながら話す。
「ぶっちゃけると、皐月学園て高等部から入学する方が難しいんだよね。狭き門てやつ。中等部だと、割りと入りやすくて他の私立とそんなに変わらない位でさ」
「千尋?ちゃんとピーマン食べなきゃ駄目だよ?」
千尋の手が止まる。
「千尋くん」
「………はい、食べます……」
あははっ!と本日何度目かの湊斗の笑い。
「じゃあ、俺が後を引き継ぐね?」
「……よろじぐ……」
ピーマンを口に入れただけで、動かそうとしない千尋が湊斗の肩をポン、と叩く。
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