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「皆はそんな事気にしてないっぽいけど、外部生として入学して来る人の中には、内部生より頭が良いんだ、って態度の人も少なくないらしいんだよね。内部生だって頭悪い訳じゃ無いから、面白くないよなぁ?」
「そーだよね」
釉がウンウン、と頷く。
あ、ほっぺたにケチャップ付いてる。
真剣に聞いてるし……と、手を伸ばしてそっと指で拭ってあげると、釉がこっちを見て凄く嬉しそうにニコッと笑った。
うん、可愛い♪
「確かにテストでの上位は割合的には外部生のが多い。でも、学校ってテストだけじゃないだろ?」
「学祭とかあるしね?」
「そう!そういう方は、やっぱり中等部からここに通ってる内部生の方が要領良いから、諸々のイベントは大体内部生が仕切る形になっちゃうんだよね」
そして、外部生はそれを面白くないと感じてる。
「ふーん……変なの」
想が呟く。
「あ、じゃあこの先は俺が。湊斗食べてていいよ」
「おぅ♪ありがと」
ある程度食べ終わった俺が引き継ぐ。
途端に三つ子がキラキラした目で見詰めて来た。
「想の言うことは尤もだし、内部生にも外部生にもそう思ってる人は勿論いるんだって。でもね、それを表立って言えないのには理由があって、もう十数年も前から内部生徒会と外部生徒会って2つの生徒会が原因」
「そんなんで上手く機能するの?」
葉がすかさず疑問をぶつけて来る。
「それが上手く機能しちゃってるから、無くならないんだよねぇ……」
ホント、びっくりだけど。
「2つの生徒会は、表面上は対抗心を持つ生徒を喧嘩とかに発展しないように纏めると同時に、抑えてる」
涙目でピーマンを咀嚼しながら、千尋が頷く。
「外部生徒会は弁論大会や校内学力コンクールを主催、内部生徒会は学祭、体育祭を取り仕切ってる。それを成功させれば、それぞれの生徒は満足するよね?」
三つ子はさっきから一生懸命頷いてる。
「成功するって事は、学校のレベルの底上げになってるんだよ。だから、学校側も生徒も2つの生徒会はどちらも必要って思っちゃってる」
「……そっか、そーだよね」
想が難しい顔して大きく1つ頷いた。
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