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「じゃあさっ!生徒会を1つにしちゃって、全部その生徒会がやればいんじゃないの?」
「葉、そこはさっき俺が、「表面上は」って言った理由なんだけど、2つの生徒会は歴代、最も対抗心を持つ生徒で構成されてるらしいんだって。だからこそ、対抗心を持つ生徒を纏めて抑える事が出来る」
葉の顔がひきつる。
「そんなの……絶対1つになんて出来ないね……」
コクン、と頷くと釉が、じゃあさ、と話し始める。
「いっそ、乱暴だけど中等部か高等部からの外部入学、どっちか廃止すればいんじゃないの?」
うん、そこ一回は考えるよね。
「そこはやっぱり、皐月学園も私立だから、中等部で間口拡げておかないと経営に影響が出るし、高等部の外部入学を止めたら名門大学の進学率が確実に下がるから、それは避けたい。学校側としては、どっちも廃止する意思は全くないらしいんだって」
所謂、八方塞がり状態。
「……と、いう事情があっての、この食堂の……」
ピーマンを漸く食べ終わった千尋がここで戻って来た。
頑張ったね!
「あのテーブルの境界線、て訳」
スッ、と腕を上げて指を差す。
自然と5人の視線が千尋の指差す先の、誰も座って居ない、真っ白なテーブルに注がれる。
「何で千尋も亜朗も、湊斗もそんなに詳しいの?」
釉の素朴な疑問。
想と葉も頷いている。
………それ聞いちゃうの?
「オーマーエーらーなぁ!春休み中に亜朗ん家に泊まった時、「親父から聞いた話しで」って俺が説明してんのに、みっちゃんは誰が亜朗の隣で寝るか喧嘩してて何も聞いてなかったじゃねーか!」
「「「そーだっけ?」」」
「そーだよっ!」
そうそう。
三つ子は全っっっ然、聞いて無かったね……。
「さて、食べ終わったらさっさと出よっか!混んできたし」
湊斗の言う通り、殆ど空席が無くなってきてた。
………………俺らのテーブル周辺の密集度が物凄い様に思えるんだけど、気のせいじゃないよね……?
キラキラした目をして、こっちをチラチラ見てる生徒の多い事多い事……。
俺以外イケメンですからね……それでしょ……。
「亜朗はさ、この栗色の細くてサラサラな髪、凄く綺麗だよ」
突然、葉の大きい手が髪に触れる。
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