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っ!!……ビックリした……。
そのままスッ、と耳の上から髪の中に指を差し込まれて、微笑まれる。
「な……っ!」
「あとはさ、肌も凄く綺麗だよ?」
今度は釉に手の甲で頬を撫でられる。
「ちょ、急にどぅ…し…」
ヤバい、恥ずかしい。
色んな人がこっち見てるし……っ!
「……このね、小さい手も細長い指も、とーっても綺麗で可愛い……♪」
想には手を獲られ、想の指と絡められる。
「ゃ…な、何……っ?」
ホントに恥ずかしいから!
想の手つき、何か……何か……っ!
「ダーメ、恥ずかしいからって顔下げないで?」
追い討ちを掛ける様に、千尋の指に顎をクイ、と上げさせられた。
「亜朗さ、さっき席着く前に1人でなーんか、拗ねてただろ?」
………!
バレてるっ!?
「大丈夫♪俺らにとっては、亜朗だけが可愛くて綺麗で、魅力的だよ?」
「な………っ…!?」
すっごい色っぽい声で囁かれて、一気に顔が赤くなったのが自分でも分かる。
蕩ける様な表情で俺を見詰めて来る4人を見てられなくて、ギュッと目を閉じると、やっと4人の手が離れて行った。
…………っ……心臓、爆発するかと思った……。
「……すっげー牽制………おっかねぇ……」
「え?何?湊斗」
何か呟いた湊斗の言葉を聞き逃してしまい、聞き返したけど湊斗は何故か、あはは…と珍しく乾いた笑い。
珍しく4人いっぺんに甘々スイッチが入ったのは1年以上振りで。
ああいう雰囲気になるのって滅多いないから、どうしても慣れる事が出来なくて、悔しいけど狼狽えてしまう……。
ぅ~…………恥ずかしかった………。
「い、行こ?早く席空けてあげよ?」
気を取り直して、真っ先に席を立つ。
「食器下げるとこ、こっちにあったから」
一歩先に立って歩き出し、5人案内するように先に進む。
「亜朗、ちょっと待ってー」
「ん?あ、ごめん。スタスタ行き過ぎた?」
「いや、全然。ちょっと怖くて」
「……?怖い?」
「や、何でもない……」
「?……湊斗変なの」
「あはは…は……」
あれ?4人が直ぐに着いて来ない……。
4人は俺らの座っていた席の周りにいた生徒に、何故か微笑みながらグルリと視線を送っている。
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