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「今までは相手が相手だから、な?」
千尋が想と釉に同意を求める視線を送る。
そう。
今までは、亜朗にアプローチする人がいたとしても、所詮小学生や中学生。
当然、相手が女の子であれば、千尋も三つ子も特に何も気にはして来なかった。
問題なのは男。
力が強くなってくれば、それだけ亜朗の危険も増すわけだが、そこは千尋と三つ子も亜朗を守れるだけの力を付ける為に鍛えては来た。
亜朗が女顔だと言ってからかう小学生。
好きな子をいじめてしまう、小学生男子のアレ。
その度に、同い年の三つ子が守って来た。
勿論、亜朗の性格上、亜朗もやり返していたが。
中学生になると、気を張る事が多くなったのも確かだったが、幸運な事に千尋の親友達である、月、寛爾、紗斗、椿が亜朗を一緒に守ってくれていた。
何かしらの理由で亜朗が1人になる事が無い様に、彼等は気を遣ってくれていたのだ。
当たり前だが、当時は学年が違った千尋にとっては、三つ子が発作を起こした場合を考えると、自分以外の4人分の目がある事は、非常に安心感があった。
高校生になった今、湊斗の目が増えたとは言え、4人分の目が減ってはしまったのは正直不安もある。
そもそも、小学校や中学校と比べて、段違いに周りの男の人数が増えた。
学校としての規模もあるが、男子校というのがやはり怖い部分。
男しかいないのだから。
ましてや、力もだいふ強くなった思春期の高校生。
いつ亜朗に危害が及ぶとも分からない。
しかも、今1番大変なのは、亜朗の成長だった。
子供の頃は、三つ子は低体重な上に、早生まれだったのもあり、9月生まれの亜朗と比べてもかなり小さく、紫朗は年下だから当然亜朗よりも小さかった。
それが今では 、亜朗は母親に似て162センチと小柄。
紫朗は父親に似て、現在172センチで未だスクスク健やかに成長中。
三つ子に至っては、母親170センチ、父親189センチと、誰がどう考えても大きくならない訳がない…という事で、180センチ前後の高身長。
ついでに言うと、千尋184センチ、湊斗178センチ。
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