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「湊斗、亜朗はちゃんと湊斗も好きだよ?自信持て」
「絶対に湊斗さ、亜朗に1番に『おはよう』と『おやすみ』言うんでしょ?それ、凄く嬉しいって言ってたよ?」
「湊斗が笑い上戸なのも、その笑顔が可愛いのも、見てると凄く幸せな気分になるんだってさ?」
「僕らの病気の事知っても、変わらない湊斗が凄くカッコいい、って言ってた」
「マジか……」
恥ずかしいと思うのと同時に、嬉しさで緩んでしまう口元に手を遣る。
いつの間にそんな会話がなされていたのかは分からないが、千尋と三つ子がでまかせを言うとも思えない。
「他にもさ、」
「千尋っ!もういいっ!言わなくていいっ……恥ずいから……」
言葉を続けようとした千尋に向けて、バッ!と手を伸ばして、それ以上はやめてくれ、と意思表示をする。
どうせ聞くなら、亜朗の口から聞きたい。
照れて赤くなってしまった湊斗を、4人はニヤニヤ笑って見守る。
「亜朗はちゃんと湊斗を見てるよ」
「自信無いなんて、言わないであげて?」
「亜朗の事が好きなら、亜朗を信じるしかない」
三つ子が湊斗の背中を、ポン、と順番に叩く。
「てか、その月くん?って人達は、亜朗の事が好きじゃないの?」
湊斗が最もな疑問を口にすれば、千尋と三つ子がブハッ!と吹き出して笑った。
「好きだよ?恋愛感情じゃなく、だけどね」
「あの人達、千尋とか俺らに甘やかされてる亜朗を見るのが好きなんだってさー」
「亜朗は照れてる顔が1番可愛い!が持論なんだって、ウケるよね」
「だから俺らが亜朗を好きなのも知ってる」
あの4人が出会ったのは、既に千尋や三つ子に愛されている亜朗だった。
千尋と三つ子に愛されている亜朗を、可愛いと思っているのだ。
千尋と三つ子がいなければ、今自分達の目の前にいる亜朗ではない。
だから、千尋や三つ子の側にいる亜朗が好きだと言う。
恋愛感情のようでもあり、そうじゃないような感情。
亜朗をカタチ造る環境、全てを引っ括めて亜朗が好き。
無駄に懐が広い、素敵な4人だと、笑顔で言う千尋と三つ子に、湊斗も笑顔になった。
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