*** 好きな子 2 ***

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*** 好きな子 2 ***

球技大会の種目は、バスケ、バレー、サッカー、野球。 結局、俺はバレーAチームとバスケAチームと、サッカーに出る事になった。 バスケとバレーは各クラス、AチームBチームの2つ用意される。 で、今日から球技大会当日迄、昼休みと放課後を使っての練習をする事になった。 焼き肉の為、頑張ります。 「暑いっっ!!」 放課後のバスケの練習試合を終えて、俺は叫ぶ。 「……桜岡、そのジャージ脱げばいいじゃん……」 呆れた様子で、バスケに出る事になった佐々木が、俺がガッチリ着込んでいるジャージを指差すが、その言葉に俺は苦笑いを返すしかない。 「ぃや、ちょっと……事情があって……」 「…?どうした?」 「……ぅん……いや……」 「………………ったく……ちょお、葉ちゃん!」 佐々木がこっちを見ていた同じチームの葉に手招きをする。 「何ぃ?」 呑気にトコトコやって来た葉は、そのまま俺を背後から抱き締める。 「お前ら桜岡の事心配してんの分かるけど、ジャージの上くらい脱がさせてやれって…どうせ昨日の腹チラが原因なんだろ?」 佐々木が言うと、葉は膨れる。 「さ、佐々木っ……知って……!?」 「当たり前だよ、桜岡の腹チラ、すげー勢いで噂んなってるよ?」 そこで佐々木は一旦、チラッと葉を見る。 「…………………まぁ、何だ……その見た目なのに腹筋割れてるって…」 「…………駄目かよ……」 何で俺が腹筋割れてたら噂になるのさ……。 ……千尋も三つ子も湊斗も割れてるっつの。 「だって、誰にも見せたくないしぃ」 「だからぁ、お前らがそうなのは、何かもう今更なんだけど、桜岡が熱中症になりそうで」 「…………………………分かった。亜朗おいで?」 佐々木の言葉に、少し考え込んだ葉が、突然俺の手を引いて歩き出す。 「よ、葉!?」 「葉ちゃんどこ行くんだよ!?」 驚く俺と佐々木の言葉に、葉はニッコリ笑った。 「ちゃんと着替えさせてくる♪」 ……着替え……!?……何でっ!? そのまま俺は、更衣室まで連れて行かれた。 俺と葉が更衣室に入ると何人かは生徒がいて、視線が集まる。 「俺、別に着替えとか特別持って来てないよ?」 手を引かれながら葉に言う。 何故か上機嫌の葉は、俺の手を離すと、自分の持ち物を入れておいたロッカーをゴソゴソとし始めた。
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