*** 生徒会、接触 1 ***

4/7
3692人が本棚に入れています
本棚に追加
/2994ページ
直ぐに千尋はこっちに戻って来た。 「千尋、今の人どしたの?」 「ん?……っと、告白ってやつ?」 「え……っ!?」 問い掛ければ、ニッコリ笑ってそう答えた割りに目が笑ってない。 ……ホントに告白……? 「千尋モテモテだね~♪」 笑う釉と、何故か心配そうな葉が千尋を囲む。 「……で…カメラ……」 「……撮ろうと……」 「……まだ撮ってなかっ…」 「次もし……」 「……目、潰して…」 んん……?何か物騒な単語が聞こえた気が………。 「亜朗、千尋に何か用事あるんじゃないの?」 思考を遮るように想に声を掛けられ、ハッとする。 そうだった! 「千尋!大地(ダイチ)さん来てくれって!」 俺が声を掛けると、千尋は俺の方に歩み寄る。 「……何の用だって?」 「それは聞いてない」 「……まぁ、取り敢えず行くか」 「職員室の更に奥だって」 千尋は「行こ」と俺の背中をポンッとしてから、湊斗に声を掛ける。 「湊斗、三つ子に聞いといていいから」 「……!ありがと!」 大地さん、て単語が出てから、湊斗がそれ誰?って顔してたのを千尋は見逃していなかった。 流石、気遣いが細かい。 千尋のそういうとこ、凄くカッコイイ思う! 「「失礼しまぁす!」」 ガチャ━━━━━━━ 『理事長室』とプレートの下げられたドアを開ける。 「亜朗くん!千尋!待ってたよー♪」 ガタッ!と立派な椅子から立ち上がり両手を広げて嬉しそうに駆け寄って……… グイッ!━━━━━━━━━ ガシッ!━━━━━━━━━ 「やめろ」 「いだだだだっ!」 咄嗟に、千尋の右腕は俺を力強く自分の胸に抱き寄せ、左手で駆け寄って来たその人の顔面を鷲掴み。 「千尋ぉ……」 その人の本気で痛がる様子に、抱かれた胸の中から千尋を宥めるように呼ぶと、千尋は、ふ、と視線を寄越して俺と目が合う。 そしてニンマリ笑った。 「やっばい!このアングルめっちゃ可愛い♪」 「ちょ、千尋っ!」 頭にチュッチュすんの止めなさいっっ!! 「ちょっ、僕の事忘れてないっ!?」 顔面鷲掴みされながら叫ぶ人。 「久々の再会なのに、千尋の僕の扱い酷くない!?」 「その顔見るとつい」 「酷いっ!!」 ソファに座り、千尋とその人の会話に俺は苦笑い。 ……昔から変わらないなー。
/2994ページ

最初のコメントを投稿しよう!