*** 生徒会、接触 1 ***

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千尋に雑に扱われているこの人。 実はこの皐月学園の理事長。 鷹取 大地(タカトリ ダイチ)さん。 そして千尋の叔父。太陽パパの2コ下の弟。 皐月学園を経営する鷹取グループの長女・香緒里(カオリ)さんの婿に入った為、名字が違う。 「おっさんに抱き着かれる趣味は無い」 「亜朗くんが5分で行くって返事くれたのに中々来ないから寂しかったんだよー」 「スミマセン……」 「亜朗は悪くねぇよ」 そこで大地さんが微笑みながら首を傾げる。 「何か、あった?」 「………………チッ」 舌打ちっ!?返事しない上に舌打ちしたっ!? 「大地さん、千尋ってば早速さっき告白されてたらしいんですよー」 「……!……へぇ、それはそれは……♪」 俺の言葉を聞いて、ほんの少し大地さんの空気が変わった………? 「てか何の用事?嫌な予感しかしないんだけど?」 ………千尋、目上の方はもっと敬おう……? 「あ、それね。実は折り入って亜朗くんにお願いがあるんだ」 「?お願い、ですか?」 「うん♪いいかな?」 隣に座る千尋がイライラしてるのが伝わってくるけど、何も言わない。 「いいですよ♪俺に出来る事ならやります♪」 「失礼しましたー」 「………」 理事長室を出てドアを閉めると、無言だった千尋が腕を伸ばして来て俺を抱き締めた。 「……クッソ…………」 「千尋?どーしたの?そんなにイライラして……」 千尋の背中をゆっくり擦ってあげる。 「……全部分かってんだよ、大地の考えてる事なんて……全部。だから……ムカつく……っ!」 「………千尋……」 独り言の様に呟く千尋。 いつもは余裕のある態度の千尋が、感情を顕にするのは珍しい。 「千尋?俺、大丈夫だよ?全然大変な事じゃないよ?話し聞くだけなんだから」 大地さんのお願いというのは、内部外部に拘らなくていいんじゃないか?と思っている生徒の話しを聞く事だった。 無理に探す必要もないし、それっぽい会話や場面があったら、さりげなく輪に入って内容を聞いて、それを大地さんに伝える、という事だけ。
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