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*** 生徒会、接触 3 ***
……どうする……。
……ど、どうしたら……。
無言で睨み付ける沼佐先輩と、無表情の西園寺先輩。
「沼佐先輩」
漸く西園寺先輩が口を開いた。
「何だ?」
沼佐先輩があっさり返す。
ハラハラしている俺に西園寺先輩は近付いて。
ぷにっ━━━━━━━━━━
「だって、この顔。見るからに優しそうじゃありませんか?」
俺のほっぺたを人差し指で押しながら、言い退けた。
………………。
さ、西園寺先輩……っ!?
沼佐先輩がそんな言い訳信じると思ったの!?
「……確かにそうだな」
信じるのかよっ!!
「という事ですよ。沼佐先輩」
「まぁ、先入観をベースに感想をつい言ってしまう事ってあるよな」
「そうですよ。それです」
え?何これ?
何なの?
西園寺先輩はしれっと誤魔化したし。
沼佐先輩は……アホの子なの?
………………俺らが聞いてた程、内部生徒会と外部生徒会って仲悪くないのかな……?
「あ、桜岡、竹内先生に脛と肘、診て貰ったか?」
沼佐先輩に言われてギクッとする。
え、何で分かったの?
「桜岡、着地する時、椅子の背に脛で行ったろ。で、座面の角に肘もぶつけてた」
何この人っ!
怖いッッ!!
「俺、動体視力半端ないから♪」
ニヤリと悪人顔で微笑む沼佐先輩。
「どれどれー?」
沼佐先輩の言葉を聞いて、竹内先生が俺の腕を掴み、袖をサッと捲る。
「あらら、これは痛かったでしょう?」
こっち来なさい、とそのまま腕を引かれて治療用の机の側の椅子に座らされた。
「脛は?」
湿布を丁度良いサイズにカットしながらの竹内先生に聞かれ、素直にパンツの裾を引っ張り上げる。
「あちゃー、こっちも結構ですね」
苦笑する竹内先生。
「じゃあ、竹内先生、田中先生、俺らはもう行きます。桜岡と河野(コオノ)をお願いします」
サッと頭を軽く下げる沼佐先輩と西園寺先輩。
さっきの人、河野くんて名前なんだ?
「あのっ!」
2人を呼び止めて、1番最初にスルーしてしまった部分を確認したい。
とことん目立つ絡みをしてしまった訳だけど………。
「河野くんて、内部生、だったんですか?」
「「え?」」
キョトンとする先輩2人に、苦笑いを送るしかできなかった……。
あはは……。
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