*** 千尋の用事 ***

2/2
前へ
/2994ページ
次へ
コンコン━━━━━━━━ 「どーぞ」 「大地、俺が来た用件、分かってるんでしょ?」 「まぁね」 「何で亜朗にあんな事頼んだ?」 「……そんなに睨むなって」 「答えろ」 「言ったろ?外部と内部、両生徒会の仕組みに苦情きてるんだって」 「そうじゃねぇって。何で、亜朗に、頼んだ?」 「そりゃあ、亜朗くんが適任だと思ったからに決まってるでしょ?」 「だからぁ、何で亜朗?イラつかせんな」 「クッ、若いねぇ」 「茶化すな」 本気でイライラする千尋。 「……だってさ、亜朗くんの性格的に、何かトラブルに首突っ込んだら、最後まで面倒見てくれるでしょ?」 「やっぱりか。最初から亜朗に外部と内部1つにさせるつもりだったんだな?」 「…………さっすが千尋♪そこまでバレてたか」 「マジでムカつく」 ニヤリと笑う大地。 「クラス割りと、部屋割り、俺の意図感じない?」 「感じてるからさっき亜朗と来た時、口挟まなかっただろ?」 「だよねー。クラスとか部屋別々になったら不安で不安でしょうがないよねー?」 「……そこは感謝してる」 「!千尋っっ!」 「やめろ抱き付くな、嫁にチクるぞ」 「それだけはやめて……」 怯える大地。 「てか、朝に亜朗くんが言ってた告白、ってのも嘘なんだろ?」 「当たり前。こっそり亜朗の写真撮ろうとしてたクズに忠告しただけ」 「忠告、ね……」 「……何だよ」 「いや。立派な騎士(ナイト)だなぁ、と思って」 半ば呆れた様な大地。 「……騎士でいんだよ俺は」 「騎士はお姫様とは結ばれないよ?大体は、王子様とだよね」 「……いんだよ。亜朗が傷付かなければ、笑って過ごせれば、それでいんだよ」 「…………愛しちゃってるねぇ。語学留学までして、わざわざ同じ学年になる位だもんねぇ?」 「大地。それ、絶対に亜朗にもみっちゃんにも言うなよ」 「分かってるって」 「……亜朗が心配だからもう行く」 「はいはい、姫にヨロシクね」 「絶対ヤダ」 「冷たいなぁ」
/2994ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3783人が本棚に入れています
本棚に追加