***カタチ造るモノ 2 ***

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「ずりぃ~っ!ずりぃよ千尋っ!」 「千尋、裏工作は良くないよね……?」 「釉、想、仕方ないよ……っでも!ぐぅ!羨ましいっ!」 ワァワァ賑やかな三つ子。 何でこんなに文句を言ってるかというと、寮の部屋割り。 「あー、うるさい!もう決定事項なんだから黙れっ!」 三つ子の頭をスパパパンっっ!と鋭く殴る千尋。 すると確実にイラッときた三つ子の表情。 ……あー、俺知ーらない。 「1年振りだからって、亜朗にくっつくの見逃してやってたのに何だそれーーー!」 ぃや、釉の管轄下じゃないからね、俺。 「千尋っ、取り替えっこしよう!ここはさ、平和的にさ!」 ぃや、そんなの益々拗れるでしょ…想と釉がね。 微塵も平和的じゃないからね、葉。 「…千尋、裏工作否定しないの?…… 覚悟あるんだよね?」 ぃや、何の為の覚悟さ?……想ってば、怖いよ。 「ぁの、堂森くん達?えっと……柊くんも……」 あ、先生が頑張ってる。 これは、ここで止めなきゃね。 「先生も困ってるし、4人共まず落ち着い」 「「「「亜朗は黙って(ろ)!!」」」」 ………。 ………………………。 若干ムカッ、と来たよ俺。 でも、ここで俺まで声を荒げて参戦すれば、収集つかなくなるのは分かり切ってる。 だからね、静かに、でも一瞬で4人を黙らせるのは1コしか方法が無いんだよね。 「……4人とも……何かヤダ……」 ホントに呟く、ってだけの行動。 それだけなのに、4人は固まってしまう。 ふ…ふふふ…、面白ーい♪ 「あ、亜朗…ごめん、ごめんな?」 真っ先に反応したのは千尋だった。 すっごい脂汗……変態レベルの脂汗。 ぎこちない動きで、掴んでいた釉の胸ぐらをそぉーっと離して、ポンポン…と皺を伸ばす。 三つ子はというと………あ!…あれみたい。 昔の有名なボクシング漫画の燃え尽きた人。 真っ白なやつ。 取り敢えずね、俺、怒ってるから。 「千尋。想。釉。葉」 「「「「はいっっ!」」」」 「ごめんなさいっ!お騒がせしました!」 「「「「ごめんなさいっ!お騒がせしました!」」」」 原因は俺だから、俺もちゃんと謝る。 先生とクラスメイトに向かって頭を下げると、4人も俺に倣って頭を下げる。 ザワついていた教室内が一気に静まりかえる。 ……ぅーん、そうなるよね…。 「…ぶっ…くく……くっ…」 …ん? 笑い…?
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