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「ずりぃ~っ!ずりぃよ千尋っ!」
「千尋、裏工作は良くないよね……?」
「釉、想、仕方ないよ……っでも!ぐぅ!羨ましいっ!」
ワァワァ賑やかな三つ子。
何でこんなに文句を言ってるかというと、寮の部屋割り。
「あー、うるさい!もう決定事項なんだから黙れっ!」
三つ子の頭をスパパパンっっ!と鋭く殴る千尋。
すると確実にイラッときた三つ子の表情。
……あー、俺知ーらない。
「1年振りだからって、亜朗にくっつくの見逃してやってたのに何だそれーーー!」
ぃや、釉の管轄下じゃないからね、俺。
「千尋っ、取り替えっこしよう!ここはさ、平和的にさ!」
ぃや、そんなの益々拗れるでしょ…想と釉がね。
微塵も平和的じゃないからね、葉。
「…千尋、裏工作否定しないの?…… 覚悟あるんだよね?」
ぃや、何の為の覚悟さ?……想ってば、怖いよ。
「ぁの、堂森くん達?えっと……柊くんも……」
あ、先生が頑張ってる。
これは、ここで止めなきゃね。
「先生も困ってるし、4人共まず落ち着い」
「「「「亜朗は黙って(ろ)!!」」」」
………。
………………………。
若干ムカッ、と来たよ俺。
でも、ここで俺まで声を荒げて参戦すれば、収集つかなくなるのは分かり切ってる。
だからね、静かに、でも一瞬で4人を黙らせるのは1コしか方法が無いんだよね。
「……4人とも……何かヤダ……」
ホントに呟く、ってだけの行動。
それだけなのに、4人は固まってしまう。
ふ…ふふふ…、面白ーい♪
「あ、亜朗…ごめん、ごめんな?」
真っ先に反応したのは千尋だった。
すっごい脂汗……変態レベルの脂汗。
ぎこちない動きで、掴んでいた釉の胸ぐらをそぉーっと離して、ポンポン…と皺を伸ばす。
三つ子はというと………あ!…あれみたい。
昔の有名なボクシング漫画の燃え尽きた人。
真っ白なやつ。
取り敢えずね、俺、怒ってるから。
「千尋。想。釉。葉」
「「「「はいっっ!」」」」
「ごめんなさいっ!お騒がせしました!」
「「「「ごめんなさいっ!お騒がせしました!」」」」
原因は俺だから、俺もちゃんと謝る。
先生とクラスメイトに向かって頭を下げると、4人も俺に倣って頭を下げる。
ザワついていた教室内が一気に静まりかえる。
……ぅーん、そうなるよね…。
「…ぶっ…くく……くっ…」
…ん?
笑い…?
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