***カタチ造るモノ 2 ***

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「千尋!?今そこで亜朗にくっつく必要無くないっ!?」 「釉に言われる筋合いもねぇよ♪」 そう言って千尋は俺の後頭部にスリスリしてくる。 もー、まぁた千尋はそうやって三つ子を煽る様な事するんだから……。 「千尋、煽るのやめてよ?」 顔は正面向いたまま、やりづらいけどスリスリしてる千尋の頭を撫でる。 「「「亜朗!俺(僕)もっ!」」」 三つ子が俺に頭を撫でて欲しくて飛び付いて来る。 ゴンッ━━━━━━━━━━━ ん?ゴン? 「「「亜朗~」」」 「はいはい♪」 三つ子の勢いに押されて、「よしよし♪」と笑いながら撫でてあげれば3人共、幸せそうな笑顔で俺を見詰める。 ………ぅう……可愛い………っ! 三つ子なだけあって勿論似てるんだけど、雰囲気はやっぱりそれぞれ違う。 色で例えるなら、想は水色、釉は黄色で、葉は黄緑色。 俺が勝手に持ってるイメージだけど、誕生日プレゼントとかは毎年そのカラーで統一してきた。 だから、今見えてる三つ子の耳たぶには、俺チョイスのそれぞれのイメージカラーのピアス。 「あの、桜岡くん?」 「あ、亜朗でいいよ、俺も湊斗って呼ばせて貰うね♪」 「あ、うん。ありがと。ってか、柊くん撃沈してるけど大丈夫なもんなの?」 …………………え? 湊斗の言葉に、自分の回りをキョロキョロすると。 「あ。千尋……」 顎を押さえて踞る千尋を発見……。 さっきのゴンッ、ってこの音ね……納得。 ……………目の前の三つ子は、さっきまで俺に向けてた笑顔とは別の笑顔。 ……わざと、だね…………? 入寮一日目。 既に部屋に運び込まれていた自分の荷物をサッと片付けて、千尋と湊斗とこの後のお風呂やら食事やらのスケジュールを確認。 「風呂とご飯、どっち先にする?」 「ご飯が良い♪お腹減ってる~」 「オッケー♪洗濯物あるなら出しとけよ、どうせなら一緒に洗って一回で済まそう」 「うん♪じゃあ俺やるよ?」 「ぃや、今日はいいよ。この後みっちゃん来るし」 「あ、そーだね。じゃあお願い♪」 「湊斗も洗濯物出しとけよ?やっとくから♪」 そこで湊斗に目線を移せば、ポカーンとした顔。 ……?何で? 「湊斗どした?」 千尋が話し掛けると、湊斗はハッと呆けた顔から戻る。 「何か、すげぇ息ピッタリだな?」 あー、そこかぁ!
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