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「千尋!?今そこで亜朗にくっつく必要無くないっ!?」
「釉に言われる筋合いもねぇよ♪」
そう言って千尋は俺の後頭部にスリスリしてくる。
もー、まぁた千尋はそうやって三つ子を煽る様な事するんだから……。
「千尋、煽るのやめてよ?」
顔は正面向いたまま、やりづらいけどスリスリしてる千尋の頭を撫でる。
「「「亜朗!俺(僕)もっ!」」」
三つ子が俺に頭を撫でて欲しくて飛び付いて来る。
ゴンッ━━━━━━━━━━━
ん?ゴン?
「「「亜朗~」」」
「はいはい♪」
三つ子の勢いに押されて、「よしよし♪」と笑いながら撫でてあげれば3人共、幸せそうな笑顔で俺を見詰める。
………ぅう……可愛い………っ!
三つ子なだけあって勿論似てるんだけど、雰囲気はやっぱりそれぞれ違う。
色で例えるなら、想は水色、釉は黄色で、葉は黄緑色。
俺が勝手に持ってるイメージだけど、誕生日プレゼントとかは毎年そのカラーで統一してきた。
だから、今見えてる三つ子の耳たぶには、俺チョイスのそれぞれのイメージカラーのピアス。
「あの、桜岡くん?」
「あ、亜朗でいいよ、俺も湊斗って呼ばせて貰うね♪」
「あ、うん。ありがと。ってか、柊くん撃沈してるけど大丈夫なもんなの?」
…………………え?
湊斗の言葉に、自分の回りをキョロキョロすると。
「あ。千尋……」
顎を押さえて踞る千尋を発見……。
さっきのゴンッ、ってこの音ね……納得。
……………目の前の三つ子は、さっきまで俺に向けてた笑顔とは別の笑顔。
……わざと、だね…………?
入寮一日目。
既に部屋に運び込まれていた自分の荷物をサッと片付けて、千尋と湊斗とこの後のお風呂やら食事やらのスケジュールを確認。
「風呂とご飯、どっち先にする?」
「ご飯が良い♪お腹減ってる~」
「オッケー♪洗濯物あるなら出しとけよ、どうせなら一緒に洗って一回で済まそう」
「うん♪じゃあ俺やるよ?」
「ぃや、今日はいいよ。この後みっちゃん来るし」
「あ、そーだね。じゃあお願い♪」
「湊斗も洗濯物出しとけよ?やっとくから♪」
そこで湊斗に目線を移せば、ポカーンとした顔。
……?何で?
「湊斗どした?」
千尋が話し掛けると、湊斗はハッと呆けた顔から戻る。
「何か、すげぇ息ピッタリだな?」
あー、そこかぁ!
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