*** 朱那と頼 ***

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「いや、それがさぁ、そーでもねーよの」 「桜岡、頼な、こー見えても元々結構デリケートなとこあってさ」 「あ、それは意外です」 「だろー?」 ケラケラ笑う朱那先輩の頭を、今度は頼先輩がバシッ!と叩いた。 「『こー見えて』って何だよ。俺は繊細なんだよ!」 「ってぇな!そんな繊細に見えねぇんだよっ!」 …………あらー、また始まったよ……。 「ま、いーや。そんでな?真の事があったから、入学した後、真みたいな奴が出ねぇか心配になっちゃってさ」 「あ!それで『オカン』になっちゃったんですね!?」 思わず頼先輩をビッ!と指差してしまう。 「そーゆー事っ!」 頼先輩も、そんな俺にビッ!と指差し返してきた。 「……それは……確かに、言い様によってはマコちゃん先輩のせいですねぇ……」 「そーだよなぁ……アイツのせいだよなぁ……」 しんみり言った後で、誰からとも無くクスクスと笑いが漏れる。 「ま、そんな感じ♪それで結局『オカン』が定着した俺と頼は、お互いの苦労とか気持ちが分かるから、何だかんだ仲良くなって、今に至る感じかな?」 朱那先輩がニッ、と笑って話しを締め括った。 「ん、桜岡、ごちそーさん♪美味しかった♪」 「えっ!?いつの間に食べてましたっ!?」 「え?普通に食ってたけど……。なぁ?」 「うん、普通に食ってたよ?また作ったらお裾分けして?」 「勿論ですっ♪」 これだけ喋ってたのに、いつの間にか容器はホントに空っぽになっていた。 多分一口が大きいからかなぁ……。 パクパク食べてくれたんだと思ったら、嬉しさが込み上げてきた。 …………それに、『また』って言ってくれたのも凄く嬉しい……♪ 「あ、頼~朱那~!発見~!」 「どーしたんすか?」 「俺らに用事っすか?」 俺らの後ろから声が掛かり、揃って振り返る。 朱那先輩と頼先輩の言葉遣いから、3年生だと分かった。 「皐月祭の有志ステージでさ、ダンスやんだけど新しい技覚えたいんだよねー」 「あぁ!いいっすよ♪」 「暇な時で良いから教えてな?」 「つか、朱羽と真は教えてくんなかったんすか?」 「んや、言ってねぇ」 そこでその先輩はニッと笑った。
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