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キラリと一瞬流れ星が流れた。
地上では子どもが願い事を言おうとしたのだが、あまりに一瞬すぎて、願いを言う時間すら叶わない。
それを感じた赤い星の一つが、ポツリと言葉を零した。
「また一つ、魂が零れ落ちましたね」
そのすぐ近く、まるで双子の星のように並ぶ橙の星は、それを聞き、チカチカと光りながら悲しみを示した。
死んだ人が星になる──それを信じる時代ではなくなってしまった。
現代では星を見るために夜空を見上げる人間など、ほとんどいないだろう。
しかし、空にはたくさんの魂たちが星となり、煌めき続けていた。
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