星は夜空に幸を願う

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人生の中で大きな未練を残した人たちだけが、星となることができる。空から未練を見守り続けることができるのだ。 長い時代の中で、たくさんの魂たちが星となり、煌めいている。この命だって、永遠ではない。 地上で「流れ星」と言われる現象のほとんどは、星となった魂が消滅するときに見られる現象である。 星として空に留まる代償に、来世で生まれ変わる権利を捨てる。このまま消滅してもいいと思うくらいの覚悟がなければ、来世を選ぶ魂だっているのだ。 その気持ちの強さを試された魂たちが、空で輝くことを許される。
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