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「しかし、子を思う母親が子を見守るために星になり、消えてゆくのは悲しいものだ」
先ほど零れ落ち、消えていった星を思う。
まだ小さな娘を残して死んでしまった。娘を見守りたい。
その覚悟を認められ、星となった魂であったことは記憶に新しい。ほんの数年前の出来事なのだ。
だからか、星の色はまだ青白かった。
生まれたての星の色をしていた。
「そうですね。ですが、志半ばで消えてしまいましたね」
「表面上とはいえ、新しい母親と仲良くやっている姿を見るのが辛かったのだろうな」
見守っていた娘に、新たに母親ができたのは数日前。
どこか他人行儀にしながらも、父親のために母親といい関係を保とうとする娘は、どこかかわいそうでもあった。
しかし、それを見抜く力が、母親になかったのだろう。
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