友情と愛情

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私にとって克哉は男友達の中でも特に話しやすかった。 「休み前に私と克哉くんが喧嘩したの知ってる?」 「知ってるよ。それで克哉から相談に乗ってほしいって連絡がきたから」 「それが土曜日なんだ」 「うん」 少しの沈黙を破って交わした言葉は、その浮気をしたのは土曜日だったという確認。 奈津子と克哉の喧嘩は大した事じゃなかった。 というか、喧嘩の内容をしっかり聞いた訳じゃないので、よくわからなかった。 土曜日に克哉の部屋へ呼び出された私は、のこのこと克哉の家へ行った。克哉のお母さんが出かけるところだったらしくて、ちょうど出迎えてもらう形になった。 「トモちゃん、いらっしゃ~い。おばさん今から出かけるけど、ゆっくりしてってね~」 年頃の男女が二人きりになることへの不安なんて微塵も感じさせずに、おばさんはそう言って車で出かけて行った。 克哉は私を部屋へ通すと、珍しく飲み物を2人分手にして戻ってきた。
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