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『蒼斃(あをいし)唖生(あおい)』
破瓜の痛みに顔をしかめる蒼(あをい)が俺の背中へと爪を立てた。あとでその傷は吹き出物となりぽっかりと小さな穴を遺している。高校入学後すぐに彼女に魅了された。一目ぼれって、ああ、こういうことをいうんだ。あざといツインテールを乳首の高さまで伸ばして毛先の揺れるたびに、あっ今乳首擦ってるなとか生臭めの妄想を掻き立てられるような女子中の女子であることだった。入学して三日目で何を焦ったのか俺は彼女に告白して当然の如くフラれるわけだが、それまで歯牙にもかけていただけなかった俺がどうして三ヶ月後にはホテルで体を重ねることになると思うだろうか。ありえねーなんて愚痴られても本当のことだから仕方ねー。
宿泊学習の二日目の晩。同室の友達が何故だか揃って他の部屋に消えた晩。蒼はボロボロの左手とつるつるのアソコを露出して俺に迫った。
「抱いて」「なんで」
「寂しいから」「メンヘラかよ」
「メンヘラだよ」このときまで彼女の手首に貼り付いた大きな絆創膏の意味を知らなかった初心(うぶ)な俺。
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