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「分かった、抱いてやるからこっち来いよ」内心先生にバレたらどうしようとビクビクブルっちゃってた俺だったがなけなしの男気をひり出し彼女の背中に両手であてがった。  そんな背徳感や緊張もあってか俺のソレは機能せず、前戯をするだけで朝が来ていた。意気地なし、と蒼はそっぽを向きいたずらっぽく笑いかけて衣服を着るとさっさと部屋を出ていった。唖然としながら彼女の踏みつけていった蜘蛛の死骸に見入っていたら、入れ替わるように友達が這入って来、どうだったどうだったと質問攻めに遭うわけだからまったく童貞ってものは何もかも新鮮に感じられていいなあなどと思ったような思ってなかったような。  宿泊学習が終わり、帰りの電車の中でメールを着信。蒼から「ちゃんと抱け」とのお達しが。やぶさかではなくむしろルンルンだった俺は後日ホテルで彼女と待ち合わせた。  蒼は紛れもなく処女だった。地の果て、海の底までも、どうしようもなく処女だった。高校生なのだから無理もないことだが俺にとっては重大なことだった。ああたしかに重大なことだったさ。一生この子を守って生きるんだ、なあんて守れもしない誓いを胸に再度告白するもフラれてしまう。意味が分からなかった。元気なもので三回戦までノンストップな調子で腰を振り続け、ひと段落したところで煙草に火を点ける。 「煙草吸うんだね」 「悪いか」     
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