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「悪いよ。体に悪いし世間体も悪い。やめなよ、そんなの」 「じゃあお前もリスカやめろ。それでおあいこだ」 「やめないよ、絶対やめない」 「じゃあ、無事おあいこってことでいいすか」 「いいよ」 「つーかなんでリスカするわけ? 痛いだけでしょ」 「分かんない」 「やめられないの?」 「どーだろー」 「答えを濁すなって!」 「いいもん! リスカは未成年でもしていいもん!」  蒼はほどなくしてJKリフレクソロジーを謳う雑居ビルでバイトを始めた。人間の独占欲、共感覚とは恐ろしいもので俺はいつの間にやら体を重ねるたびに左手に傷を付けてみたくなっていたのだ。いいや、二度三度では済まないほどに俺の手首は傷だらけになった。気付いた時にはもう遅かったと言うべきか。  今もどこかで蒼はどこぞの知らないおっさんに跨ってマッサージしているのだと思うと嫉妬で目の前が真っ赤になったり些細な事でクラスメートを殴りつけたり、しまいには親友から鉄拳制裁をお見舞いされそれが仲直りに向かったとしても、決して、決して  蒼との関係は誰にも漏らさなかった。  某日某所、つってもホテルなんだけど、蒼が妙なことを言いはじめたのだ。 「私の右腕に根性焼きしてよ」 「は?」     
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