悪魔の興味

9/15
前へ
/17ページ
次へ
「ご苦労様です」と上司に挨拶するのは、前の席に座っていたスーツを着て、髪をきっちりと分けた立派な男性だ。 「管理官。年明けから忙しそうだね。ご苦労様」と返すと、管理官の男は「早く事件解決して、被害者の無念を晴らさないと」といった。 「うむ・・・。今日、ここに寄らせてもらったのはウチの検事でね、馬場というのだが。彼女がこの事件に対してかなり興味を持っているのでね・・・。少し、陣中見舞いには早いけど寄らせてもらったよ」と上司はいった。 「そうですか。日下部です。今回、この捜査本部の指揮をとっています」と日下部は挨拶がてら右手を差し出した。 「馬場です」と沙和子は遠慮がちに挨拶をしながら右手を差し出して握手を交わす。 「宜しく。この事件に興味があるとか・・・」と日下部が話を始めると、沙和子は「卑劣な事件ですから・・・。許せません。って、上司に気持ちを伝えただけなんですが・・・」と顔を赤らめていう。 「けっこうです。この事件の容疑者が捕まったらぜひ、担当検事になってください」と日下部はいって、「どうぞ。今までに集めた情報だけですが検証してみてください」といって日下部は自分の席に戻った。     
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加