悪魔の興味

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「こんなに頻繁に外泊していいの?」と実和子が心配すると、沙和子は、「ここんとこ、物凄く忙しくてね・・・。ミワに会って仕事の話を聞いてもらって、ストレスを発散しないとね」といった。  それでも、実和子が夕食後、一緒にお風呂に入ったあとの寝る前の薬を飲んだあと、傍にいるはずの沙和子の表情がいつも険しくなる。そして、自分にはまったく記憶は無いのに、朝、実和子が起きると決まってお酒の匂いが自分からしていた。そして、沙和子そっくりに化粧もしている。実和子が心配して沙和子に尋ねると、決まって沙和子は笑顔で「病院にいたらそんな化粧も出来ないでしょう。それに、寝ている時じゃないと、起きていたらミワ、化粧させてくれないじゃん」と話してくれる。  そんな沙和子も朝はぐったりとしている。何か疲れているようだった。  そんな姿を見つめる実和子は、『きっと・・・、自分が外泊してくると、夜な夜なサワちゃんに迷惑を掛けているんだろうな・・・』と思い、沙和子に「サワちゃん。ミワが外泊して迷惑掛けているなら、外泊しな・・・」といい掛けた時、血相を変えて沙和子は「うるさい!黙ってて」といつも怒った。  それでも、叫んだ後、気を取り直すと沙和子は「ゴメンね、ミワ。ミワが傍にいてくれないと、私・・・。ミワの心配性が伝染ったのかな・・・。ゴメンね」といつも謝っていた。     
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