第1章

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宗像大社周辺、いや、九州北部や山口県や島根県などの人達は、昔から沖ノ島には、神の島としての敬意を払い、勝手に上陸をしようとはしなかったし、ましてや遺物を持ち出す事など考えても居なかったから、警備の事など考える必要が無かった。 海の正倉院として知る人ぞ知る沖ノ島。 何故、世界遺産に登録しようと考えたのか? 福岡県や国、宗像大社が関与しているのだろうが、世界遺産に登録される事で、盗難の危険が増大する事は考え無かったのか? 世界遺産に登録される事で、観光資源になるだろうという安易な考えがあったのだろうが、世界遺産登録の後の2・3年は効果があったとしても、その後は観光客の数は激減して、投下した資金に見合う結果はなかなか得られていないはずだ。(石見銀山などは好例であり、韮山の反射炉や富岡製糸場などもそうなるだろう。) この沖ノ島の世界遺産申請をきっかけに、安易な登録申請は考え直す必要があると思う。 沖ノ島の遺物が失われてから理解するとしたら、こんなに悲しく虚しい事は無い。 世界遺産登録(NHK大河ドラマを含めても良い)→観光客増加→外国人観光客増加→日本人観光客減少→問題山積の流れは、富士山やら浅草やら京都やらの問題点を考えたら判る。 京都の祇園周辺などは特にそうだが、外国人観光客によって街の雰囲気が変わってしまった。 富士山と浅草仲見世などは、外国人観光客が7割近くになり、日本人観光客がほとんど居ない。 外国人観光客のマナーの問題だけでなく、1人辺りの落とすお金を考えても、日本人観光客の方が多いのは当たり前。 単純な発想で安易に世界遺産の申請をするのを止め、様々な問題をしっかり判断した上での、総合的な観光開発を考えるべき時が来たと思う。 魅力的な観光地とは何か? 改めて考えて欲しい。
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