星を知る

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 星空が終わり、ダンザライトがブランケットを外すと、ホルダーがいたはずの場所は、削り取られた白い空間になっていた。 「ダンザライト、お疲れ様」  遠く、頭上から聞こえる声は、仮想空間の外から発するものだ。 「テクノロジーホルダー<アイオノイド開発者>の魂は救済した。仮想空間はまもなく終了する。戻ってくるんだ」  濃紺のブランケットだけはまだ残っていた。強く握りしめながら、ダンザライトは「肯」と呟いた。  ダンザライトは知った。  夜の孤独と星の温かさ。それから空の儚さを。
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