呪涙~嘘泣きと号泣のはざまで~

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魔女はクスリと笑って言った。 「あなたの願い事を叶えてあげただけよ。この魔術でね、あなたがこれから【嘘泣き】しか出来ない様にあなたの涙に呪いを掛けたのよ。あなたは誰が亡くなってももう二度と本心で号泣する必要はないの。そう、もう、二度と心の底から悲しんで涙を流す必要がないのよ。嘘泣きなら出来るけれどね。勿論、本心で号泣する事も出来るわ。但し。もしも本心から悲しんで号泣したらあなたは【死ぬ】の。あなたの中に吸収された先程の蛇の呪いがその時発動しあなたは死ぬ。だから・・・もし嘘泣きではなく、本心から号泣する時、死を覚悟して・・・泣きなさい」 俺は・・・・何て契約をしてしまったんだ・・・・。確かにもうどんなに悲しくても自分の心を誤魔化して嘘泣きし、心が切り裂かれる様な悲しみを知る必要はなくなるのかも知れない。しかしそれは心が死んだも同然の契約ではなかろうか?そして・・・次、心の底から号泣する事があれば・・・俺は死んでしまうのだ。 そう・・・・俺が・・・・・・嘘泣きしか出来ないと言う、そう、本当の悲しみの半分を失った瞬間であった。 そう・・・・嘘で虚飾された嘘泣きしか出来ないと言う・・・本当の涙の半分を失った瞬間であった・・・。
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