訓練

4/6
前へ
/6ページ
次へ
閉店時間まで途切れることなく話し続けた三人が、別れを惜しむように店の前で立ち話を続けていた。 暫くすると足が疲れてきたのだろう、誰ともなく解散の言葉を告げる。 「今日は楽しかった。また飲もうぜ」 「ああ、また連絡するよ」 少し千鳥足になりながらも、楽しそうに鼻歌を歌いながら去っていく。 「教官、だいぶ飲んだけど大丈夫か?」 「大丈夫だろ」 「なぁ……、言えなかったな」 「そうだな……」 すでに開いている店はない、人通りも少なくなった繁華街を寄り添うように歩く二人。 「聞かれたら答えるつもりだったんだけどな」 「まだ言う機会はあるだろうさ」 ぐいと肩を抱き寄せ、励ますようにバンバンと軽く肩を叩く。 住宅街を抜けマンションの一室に一緒に入る二人。 「先に風呂入るよ」 「ああ」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加