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閉店時間まで途切れることなく話し続けた三人が、別れを惜しむように店の前で立ち話を続けていた。
暫くすると足が疲れてきたのだろう、誰ともなく解散の言葉を告げる。
「今日は楽しかった。また飲もうぜ」
「ああ、また連絡するよ」
少し千鳥足になりながらも、楽しそうに鼻歌を歌いながら去っていく。
「教官、だいぶ飲んだけど大丈夫か?」
「大丈夫だろ」
「なぁ……、言えなかったな」
「そうだな……」
すでに開いている店はない、人通りも少なくなった繁華街を寄り添うように歩く二人。
「聞かれたら答えるつもりだったんだけどな」
「まだ言う機会はあるだろうさ」
ぐいと肩を抱き寄せ、励ますようにバンバンと軽く肩を叩く。
住宅街を抜けマンションの一室に一緒に入る二人。
「先に風呂入るよ」
「ああ」
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