番外編ACT.2 裏赤城

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 赤城ダウンヒルのスタート地点前の駐車場にて。  銀色の日産のR35型GT-RがハイパワーのVR38を奏でながらやってくる。  R35は2007年に5年振りに復活したGT-Rで、ニュルブルクリンクのタイムでは量産車最速記録を叩き出した。  このR35に装着されているパーツは以下の通り。  フェニックスパワー製のエアロに、トップシークレット製のカーボンボンネットとリアウイング、メーカー不明のカーボントランク、ゴールドのBBS製LMだ。  駐車場に来たR35から智姉さんが降りる。  智姉さんの衣装は和食さいとうの服装ではなかった。  私服の黒いセーターに、パンツが見えそうなほど短い茶色のミニスカートに変わっていて、スカートから出ている美しく見せる黒タイツはそのままだ。 「智さん、来たんですか?」 「私もオオサキの応援にな」  どうやら、妹や娘のように可愛がるおれの活躍を見たくなってきたらしい。  ギャラリーの走り屋の女が突然話しかけてきた。 「伝説の走り屋の智さん……?  ここで見るとは――初めまして!」 「こちらこそ初めましてだな」  智姉さんはその挨拶に応える。  早速、2人は会話を始めた。     
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