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「それは名案ですね、耐久性を考慮して設計してみましょう」
と、研究室に戻って設計図を描き出した。
「こんな感じですかね?」と、ザ・レはスケッチを見せた。
水中に張り出た翼のようなものが左右一対で前と後ろに取り
付けられている。
「オッなかなかいいですよ、流石ザ・レですね」と、ザ・ド。
「水中翼と呼んでもいいような形態ですね」と、ザ・ド。
「なるほど、流石ザ・ド様、センスがいい、水中翼とはいい
響きですね」と、ザ・レ。
「作るのに何日かかるかな?」と、ザ・ド。
「材料があれば二、三日ってところでしょうね」と、ザ・レ。
「車の仕掛けは?」と、ザ・ド。
「全方向にクルクル回る奴にしましょう。ザ・ド」と、ザ・レ。
「全重量がその車にかかるわけだから相当の強度を図りましょう」
と、ザ・レ。
「そのためには爆動機の力を下の車に伝える装置が必要ですが
今度の課題としましょう」と、ザ・レ。
「そうですね、一歩一歩前進していけばいいんですかね」と、
ザ・ドも承知した。
「先ずは空を飛べるかのテストです」と、ザ・レ。
「燃料の準備はできていますよ」と、ザ・ド。
「着船装置の完成を待ってテストしますか?」と、ザ・レ。
「そうしましょう。材料は準備済です」と、ザ・ド。
二人は研究室に運び込まれた金属板やパイプ状の金属管を
切断したり溶接したり、車の部品を取り付けたり見事な役割
分担でどんどん作業をしていきます。
二人の頭の中では完成した空飛ぶゴンドラが悠々と大空を
飛んでいる姿が描かれています。
二人は、寸暇も惜しんで作業をしており、食事をとるのも忘れ
がちで、ミ・シーが何度も食事の時間を告げに研究室の扉を
開けたのですが、それさいも気付きません。
一心不乱に作業している二人を見て、ミ・シーは、
「馬鹿に付ける薬は無いというけれど、本当ね」と、あきれ返る。
「お褒めにあずかり恐縮です。ミ・シー様」と、ザ・レは方向
違いの返事をし、「何しにきたの?ポンポコ娘?」と、ザ・ド
は邪険に扱います。
「私が食事の知らせに来ないと、二人とも餓死しても知らない
から!」と、ミ・シー。
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