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ザ・ドは十五歳になった。
十五歳になった誕生日にザ・ドは父に呼ばれた。
「何か用でしょうか、父上」
「うむ、ザ・ド。今日からお前に家庭教師をつけようと思う」 と、ザ・ド卿。
「家庭教師ですか?何を教わるのですか?」と、ザ・ド。
「一つは武術、もう一つは学業一般だ。私の恩師でもある、ザ・ラー師がいい人を紹介してくれたのだよ。
名前はザ・レ・スラー、ザ・レと呼べばよい。
お前よりは三歳年長でなかなかの人材だと聞いている。
十天時にここへ挨拶に来るから、お前も同席しなさい」
と、ザ・ド卿。
「分かりました、父上」と、ザ・ドは答えて一旦自分の部屋に帰った。
「家庭教師だって!どんな人なんだ?僕より三歳年上?
そんな人を先生とよぶのか?
先生と言うより兄貴くらいじゃないのか?」と、若い家庭教師にいささか戸惑っているザ・ドである。
十天時に父の書斎に入ったザ・ドは、父の前にキチンと座っている一人の青年を見た。
「ザ・ド、この人がザ・レ君だ。ザ・レ君、これが不肖の息子のザ・ドだ。
ザ・ド、ザ・レ君にご挨拶をしなさい」と、ザ・ド卿。
「始めまして、ザ・ドです」と、ザ・ドは、相手を直視して言った。
「ザ・レです。初めまして。ザ・ラー師のご紹介で本日より貴方の家庭教師を勤めることになりました。
年は十八で、貴方より三歳上です。
先生と言うよりは兄貴のようなものです。
そんな風にお付き合いできればと思っています」と端正な風貌をした青年は言った。
ザ・ドは、その青年に真っすぐな性格を感じ好感を抱いた。
「私こそ弟のように感じて頂ければありがたいです。
宜しくお願いします」と、ザ・ドの口調も丁寧なものになった。
「基本的なことは、契約書記載の通りとするが、要望があったら何時でも私かザ・ドに行ってくれれば対応を検討するから遠慮しないでくれたまえ。
それから、家族を紹介するからザ・ド、母さんとミ・シーを呼んでくれ!」と、ザ・ド卿。
「分かりました。では、ザ・レ様、ちょっと席を外させていただきます」と、ザ・ド。
ザ・ドは、家政婦のミータを呼んで、マダム・ザ・ドと妹のミ・シーを呼んで父の書斎にくるよう伝言を頼んで、父の書斎に戻った。
暫くして女性二人が書斎に入ってきた。
「ザ・ドの母です。年は聞かないでね」
「ザ・ドの妹のミ・シーです。十三になりました」
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