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「喜んでご一緒させていただきます。ザ・ド様」と、ザ・レ。
二人は食堂へと入って行った。
食堂ではミータが食事の準備をしていた。
「ザ・ド様、ザ・レ様、お食事はミ・シー様と三人で召し上がってくださいとのマダムの伝言でございました」と、ミータ。
「母上は外出中ですか?」と、ザ・ド。
「はい、先ほど父君と連れ立って出かけられました。
何やら会合に出席とのことで夜は外食されるとのことでした」
と、ミータ。
「分かった、では、食事しましょう。で、ミーシーは?」
と、ザ・レ。
「ジャジャジャジャーン!私はここですわよ!お兄様」と、背後から声をかけてミ・シーが食堂に入ってきた。
「ザ・レ様、お兄様の家庭教師になられて後悔なさっているんじゃないの?」と、ニコニコして聞いた。
「おいおい、それはないですよね、ザ・レ様」と、ザ・ド。
「はい、ザ・ド様の家庭教師になれることは私の楽しみにもなりそうです」と、ザ・レ。
「へー、偏屈なお兄様を気に入るなんて!ザ・レ様も変態なのかしら?」
「変態、それはないですよ。ごく普通の人間ですよ私は」
と、ザ・レ。
「ははは、このポンポコ娘には構わない方がいいですよ、ザ・レ様」
と、ザ・ド。
「ポンポコ娘って誰よ!こんな可憐な妹をつかまえて。
見る目がないんだから!このメナシナメクジ!」と、ミ・シー。
「まあまあ、またいつもの兄妹の言い合いですか?仲の宜しいようで」と、ミータがいつもの事として動じることもなく給仕を始める。
「いつもこのようののですか?ミータさん」と、ザ・レ。
「はい、お小さい時からいっつも。
お二人は言いあうことで中を深めてらっしゃるのですよ」
と、にっこりしている。
「私も慣れないといけませんね」と、ザ・レ。
食事中もザ・ドとミ・シーの会話はこのようにお互いポンポン言い合う形で進められて行きます。
ザ・レはには次第にそれが、仲の良い二人の普段着の生活なのだと理解できました。
このように育てたザ・ド・シャープ卿の人となりがわかり温かいものを感じたザ・レでした。
「食事もお二人の会話もいずれもご馳走様でした」と、ザ・レは笑って言った。
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