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そんな見事な食いっぷりを店主のオヤジさんは感嘆しながら見ていた。
「そういえば、せなちゃん、今度の土日も、例のアイドルのイベントなんだろ?」
店主の言葉にせなは、口に入れたトンカツを飲み込むと答えた。
「そうなのよね……、バイトの稼ぎ時なのに、ちょうどバッティングしてるのよね……」
「いいじゃねぇか!!、ついでにアイツの店の宣伝してやればよ!!」
"カツしん"の主、勝山新太郎は、せなのバイト先、メイドカフェ、ローデンメイツの店長と同級生だった。そんなよしみで、せなもカツしんの常連だった。
厳つい店主とメイド姿のゆるふわキャラのせなが話している様子は、他の客から見るとかなり異様な光景だ。
しばらくすると、せなと同じメイドの格好した女性がやってくる。店内に入りせなの姿を目にし、隣にやって来ると椅子に腰を下ろした。
「お疲れ様です。せな先輩」
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