第一章  ザ・ド 新型空飛ぶゴンドラの製造に着手 の 巻

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ザ・ドとザ・レは、トート市郊外のマーナガに作られた 試験場にいる。 トート市の北東に位置するマーナガは、小高い丘と傍を 流れるドーエ川とネト川に挟まれた広大な馬の放牧場が 大半を占め、残りを深い森と両川を繋ぐ運河がある。 ここに、アメ国から運び出した金を売って作った資金で 空飛ぶゴンドラの改造と飛行試験をする施設を運河沿い の森の中に構築したものである。 一見一階屋に見えるが、高い天井を持つ工場で地下にも 一階が設けられている。 ザ・ドとザ・レは、試験場の骨組みができると、即、設 計用の施設とゴンドラ製造に必要な各種の機会や工具を 調達して、目立たないように夜間に運び込み、昼間に設 置工事を行った。 一天月未満で使用に耐えるレベルまでに造作を進め、今 二人は、角を突き合わせるように、新ゴンドラの設計図 を作成しているのである。 「今度のゴンドラの主要な改善点は、以前聞いた範囲では、 攻守の性能の向上が主だったが、それは変わらないの?」  と、ザ・ド。 「ええ、基本的なコンセプトはそうですが、ソト国の地形 や気候も考慮した改造も必要かと思っているところです。 ザ・ド」 「例えば、どんな考慮が必要ですか?ザ・レ?」 「先ず、空飛ぶゴンドラは、その名の通り『空を飛ぶ』、 『船(ゴンドラ)』の二つの機能を持っていますが、 『ランド(陸)』の機能は持っていません。 格納庫から引き出すのに台車に乗せて二人で引っ張る のでは、到底他国の地では使い物にならないでしょう。 ザ・ド?」 「その通りですね。その点についての改造も考えているの ですね?」と、ザ・ド。 「そうです、実はこの方が先に考えていたコンセプトより も難しいのです。船体の構造を画期的に変えない限り無理 だからです。ザ・ド」 「話は分かりますが、気になるのは製造期間です。あまり 長くはかけれないことはザ・レもご存知ですよね?」 「そのためにも船体の構造の画期的な変更をするのですよ 、ザ・ド」
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