第一章  ザ・ド 新型空飛ぶゴンドラの製造に着手 の 巻

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「それは、どのような変更ですか?ザ・レ」 「今までは、既存のゴンドラを購入して、それに手を 加える方法でブラックサンダー号の製造・改造を行って きましたが、船体は木製でした。 今度の新ゴンドラは、主要な骨組みを金属製にします。 つまり、陸を走るためには車輪が絶対に必要になります。 ゴンドラの重さを支えるためにはこの部分、車体と名付け ましたが、一組の連結した金属製にしないと持ちません。 まず車体を作り、それに船の構造部分を連結させ、船体 とします。 船体に各種の動力源を接続して固定させます。 次に内装を行い、最後に外装ととして板に鉄板を貼った ものを取りつけます。 今までは、一艘、一艘順に作っていきましたが、今度は 複数のゴンドラを一斉に作る必要がありますので、 作業もパーツごとに分解して、各作業者が自分のパーツを 専門に作り、それを組み立てる作業員を別に置く体制 として、時間と効率の短縮・アップを図ります。」 と、ザ・レは一気に自分のアイデアを語った。 「それは、すごい、画期的な発想ですね!ということは、 設計図も分割作業単位に作成していくのですね」 「流石に、ザ・ドは頭の回転が速いですね」 「あら、早いのは頭の回転だけじゃないでしょ!  女性に手を出すのも素早いものよ、ね、お兄様!」 「うわー!出たな妖怪ポンポン娘!で、何か用かい?」 「何か用かい?じゃないでしょ。いつまで話してるの よ、私のザ・レと」 「わ・た・し・の・ザ・レ?」 「ええ、私のザ・レですわ、舞踏会で最初に申し込んだ のはザ・レ様ですから」 「何だ、そんな程度で『わ・た・し・の』になっちゃう のかい?」 「あら、お兄様もヤーモモいやジ・ルー姫と最初に踊っ て『わ・た・し・の』とお互い約束したんじゃなくって ?」 「僕等と、ミ・シーの場合を一緒にするなよ」 「私とジ・ルー姫は同じ歳ですからね。おかしくとも 何ともないわ、ネ、ザ・レ様?」 「光栄の至りです。ミ・シー様」と、ザ・レ。 「あっ、それから、ジ・ルーと呼んでいいのは身内 だけだからね!それまではヤーモモと呼ぶこと! 分かったかい!」
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