私の大切な妹

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私には病弱な双子の妹がいる。 双子といっても顔は似ているが髪や目の色、いつも寝ているために体つきも違う。 具体的には私は白い髪に赤い瞳、妹が黒い髪に青い瞳。妹の方が痩せている。 髪の色が関係しているのか、名前はシラナとクラナ。 普通は変わった見た目の私が病弱になればよかったのに、逆に能力が高く生まれてしまったようで、かなり親に期待されている。 しかしクラナは親から冷たい扱い。私がいなければもっとひどい扱いを受けていたかもしれない。 いや私が生まれてこなければクラナが私の立場になれていたのかな。本当は病弱なこと以外ほとんど私と能力は同じなのだから。 「お姉ちゃん、疲れてるの?」 クラナの部屋で話しているところだった。突然クラナが私の顔を見てそう言った。 「な、なにを言ってるの。お姉ちゃんは疲れてないよ。それよりもクラナは大丈夫なの?」 「私は平気だよ。お姉ちゃんが無理してるように見えて」 実際クラナの指摘は正しかった。いつも親や周りの期待について答え続けるのは簡単なことではなく、素の自分に戻れるクラナとの時間だけが楽しみなほどだ。 それなのにクラナにも分かるほど疲れているなんて。自己管理の甘さに自分をしかりたい気分だ。 「お姉ちゃん。まだ時間はあるの?」 「ええ、一緒にいられる時間はあるわ」 「それなら……」 クラナは自分の寝ている位置から横に少しずれて空いたスペースをぽんぽんと叩いた。 「一緒に寝よう。私はお姉ちゃんが頑張っているの知ってるから。抱きしめてあげる」 「……クラナ」 クラナともっとお喋りをしていたいけれど、疲れを見せて心配されているのなら休んだほうがいいのかもしれない。 「わかったわ。一緒に寝ましょう」 私はクラナの隣に入り、クラナを抱きしめた。 「お、お姉ちゃんは普通に寝ててよ。私がやるから」 「なら一緒にすればいいのよ。そうすればお互い抱きしめられるわ」 「……もう」 むくれている割には素直に私のことを抱きしめた。 クラナの体温は低くて気持ちがいい。 「あなたは暑くない?」 「うん。お姉ちゃんはあったかくて安心する」 それを聞いて安心した私は目を閉じる。 こんな風に心から安らいで眠れるのはいつぶりだろう。 今までにないくらい早く眠りにつくことができた。
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