そんなわたしは野良でした。

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 始まりは雨でした。その日も冷たい雨でした。わたしはお腹を空かせて、何回も祈るように泣きました。  そんなわたしを貴方は抱っこして、頭を撫でてくれました。  真っ白なお皿に注がれた、もっと真っ白なミルク、それに飛び付くわたしに、貴方は優しくしてくれました。  始まりは嘘でした。つまらない嘘でした。ずぶ濡れで卑しいわたしは野良でした。  あなた嘘で、いつも優しい嘘で、お腹を満たしてくれる陽だまりでした。  結局は側にいてくれないのでしょう。そんなミルクはいらないわ。  お終いは雨でした。いつも降り止まぬ雨でした。お別れに傘などいらない。優しくしてくれて有難う。ごきげんよう。  
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