星を掴む

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星を掴む

桜でんぶには、もう、うんざりだった。 バーバーパパだの、マイメロディーだのと称されたピンク色に固められた米。 飯が甘いって、どういう事なんだよ。 まじで。 俺の深いため息をすり抜けるようにして、通りがかったパート事務の安田さんが、 「今日も愛情たっぷりで、美味しそう」 そう言いながら、俺の空のコップに麦茶を注いでくれた。 「いつも凝ってるよね……湯浅君の彼女、本当に若いのにえらいよね。毎朝、毎朝」
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