わたしと親友とケンタウルス

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***  再会したわたしと小百合は、ふたりでカフェに入っていた。リギルが「女性同士、つもる話もあるでしょうし」と気を使ってくれたためだ。 「そんな気を使わなくていいんだよ」  と、わたしが言うと、リギルは 「滅多ニ会えないのデスから、水入レずでゆっくり話してくだサイ。僕はお台場のガンダムを見に行ってきますカラ!」  とだいぶ流暢になった日本語で衝撃的なことを言った。  日本語うまくなったなぁ、馬だけに……いやそうじゃなくて、お台場のガンダムはもう……と言おうとしたときには、彼は自慢の蹄を鳴らして走り去った後だった。小百合もかの機体が撤去されたことは知らなかったらしく「あらら」と笑っていた。軽いな。  女子らしくスイーツなどつつきながら、近況報告をしあう。わたしは平凡なOLで、小百合は向こうで仕事をしている。  一年前、こっちでの仕事を辞めてイギリスへ行ったときはどうなることかと心配したが(わたしが心配しても仕方ないのかもしれないが)、うまくやれているようだ。  小百合は少しおっとりしているが、時々こんなふうに大胆な行動に出ることがある。思い切りがいいというか。  親友のそういうところが好きで、憧れる。小百合は昔から、わたしにとって少しまぶしい存在だ。  しばらく話していると、小百合のスマートフォンが震えた。画面を確認して、くすりと笑う。 「『ガンダムいない……』だって」  どうやらかなしみのケンタウルスからメールがきたらしい。今は海浜公園にいるそうだ。  気を落とすなケンタウルス。次はUCらしいよ。
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