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ダチの太田が指差す方を見てみると、そこにいたのはマジで地味~なガリ勉ちゃんだった。
制服のシャツは第一ボタンまで閉めていて、長い髪を今時は無い三つ編みに。イスに姿勢正しく座って、机には当たり前のように参考書が広げられている。
うつむいているたむ顔は良く見えないがザ、真面目ちゃんって感じだった。
「……わ、マジで?あれはねぇわ」
さすがにあんなんに泣かれても嬉しくねぇだろ。
頭の中で考えてみる。
「でも泣かないんだとよ、絶対に」
「ふぅん?」
「ほら見ててみ?」
太田が言うとおり、ガリ勉ちゃんを見つめているとノートを持って立ち上がろうとした所にクラスの女子が思いっきりぶつかった。
ーードン!
「ちょっとぶつかったんだけどぉ」
ぶつかったのは、クラスの中心グループに属する安生愛梨だった。
明らかに、木崎のせいじゃないけど……お決まりのパターンだな。
「痛い!アンタのせいで怪我したんだから、責任とんなさいよ」
あーあーあ。怖えーな女子って。
気に入らない相手にイチャモンつけて、集団で囲ってさ。
これだから敵にすると恐ろしいんだよな。
まっ、敵にしてるけど。
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