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安生の声を皮切りに、周りにいるやつが寄ってたかって木崎を責め始める。
集団イジメはいただけねぇな。
「愛梨ちゃんに謝りなよ」
「そうだよ、愛梨ちゃんが可愛いからってわざとぶつかったでしょ!」
イジメのやり口は理解出来ない。
集団で寄ってたかって泣かせることになんの意味があるんだよ。
「責任とるから……」
木崎は小さな声で言った。
こうやってパシリにされていくんだろうな。
弱ければ、どうしても強いヤツに従ってしまう。
確かにまぁ、これだけ集団で責められて泣かないのは大したもんだけど、俺が求めてるのはそういうレベルじゃないんだよな。
そう思った瞬間、木崎が行動に出た。
「きゃ、」
彼女は急に安生を自分の方に引き寄せると、シャツを少しめくり、ぶつかった肩にぺちんと湿布を押し当てた。
「いつも何かあった時のためにポケットに入れといて良かった。これを貼ればすぐに治るから」
は?なに、あれ湿布?
つか今どこから出したんだよ?
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