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俺もずいぶん変わったもんだな……。
まさか木崎に変えられるなんて。
俺はパチッとテレビを消し、さっきまで放送していたDVDを取り出すとゴロリと床に寝転んだ。
今日も木崎を家に呼び、たった今DVDを見終えたところだ。
俺の家に来た木崎は相変わらず背筋を伸ばして正座をしている。
疲れねぇのかよ。
「はあ」
ため息をつくと木崎は言った。
「あなたがそんな落ち込むことはない」
そんなことを言う。
別に落ち込んでねぇけど。
木崎の声を後ろに聞いていると、だんだんと声は小さくなりつぶやくように言った。
「それに……あなたには感謝してる、から」
その声はいつの間にか近くなって、ぴたり、と俺の背中に温もりを感じる。
驚いてみてみると、俺の背中に触れる木崎の姿がある。
え、コイツ何してんの?
「正直、過去を話しても重くなるばかりだと思ったから」
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