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「冷たいって思うでしょう?」
いや、お前の手、めっちゃ熱いんだけど。
「人の気持ちもイマイチよく分からないし、感情がブレない」
なにやら真剣に話始めるけれど俺の意識は全部背中にいって、話なんて聞ける状態じゃなかった。
「周りにもそういう風に見られるのを知ってるから関わりたいと思わない」
そのうち木崎は、人の背中をおもちゃにして話ながら俺の背中に指で落書きをし始めた。
ちょいちょいちょい!
「お前……っ」
さすがに耐えきれなくなった俺はとっさに振り返る。
「……っ!」
しかし、木崎との顔の近さに声が出なくなった。
「何よ、くすぐったいわけ?」
コイツ、全然気付いてねぇし。
「違えーよ」
「じゃあ何?」
ずいっと顔を近づける木崎は本当にマジで警戒心がない。
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