Mission1 泣かない女の泣かせ方

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しゅっと鼻筋の通った整った顔。 生まれつきのパッチリ二重。背丈も十分、ほどよくクセのついた髪。 ーーモテないわけがなかった。 小学生の頃までは、俺はどこにでもいるような小学生だった。 ゲームをやって、外で遊んで、まぁ誰かに告白されたり、少し人よりモテたかな程度。 しかし、生まれ持った顔というのは隠せないもので、成長するにつれ俺はどんどんモテていった。 そして、中学生の時の俺。 「春樹くーん、こっち向いて?」 「キャーー」 「カッコいい!今笑ってくれたよ!」 笑顔で手をふると、歓声が起きるほどにモテるやつ。 ファンクラブも出来上がり、バレンタインは女子が仕切って俺にまとめてチョコレートをくれるほどだった。 その頃にはすでに自分はモテることを自覚していた。 告られるのはしょっちゅうで、呼び出しはいつもこれ。 「好きです先輩……」 時に後輩だったり。 「付き合ってくれないかな?」 他校のモデルをやってるヤツだったり。
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