サドルが輝くそんな夜に

4/7
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
家までは徒歩15分。歩くのはきついなぁ。自転車ならあっという間だし疲れない。やっぱり自転車で帰りたい。どうしよう…。 なんだか他の99台の自転車のサドルがお宝のように輝いてみえてきた。 だってサドルだけ売ってるの見たことないもん!どうやって手に入れればいいのよ。 先輩が自慢していた腕時計よりも手に入れるの難しいんじゃない?今度先輩が自慢してきたら、私なんて自転車のサドルだけを買ったのよ。オホホホって自慢してやろう。 そうだ!来週の日曜日は私の誕生日だ。彼氏にねだってみようかな。私のためにサドルを探してくれるだろうか。 彼氏の彰(あきら)にメッセージを送ってみることにした。 「起きてる?」 シーン。既読にすらならない。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!