キリンの背中

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校庭のキリンの王さまがいなくなっていた 近くにいた先生らしき人に聞いてみたら 「その置物なら、老朽化が進んで危険だから昨日撤去したんだよね、スッキリしたでしょ」と言っていた 話が終わるか終わらないウチにマツは歩き始めていた マツは銀色マイクが朝礼台で揺れていた事を思い出した 喉がギュウっとしたら涙がこぼれた そして昨夜 キリンの王さまが会いに来てくれたこと キリンの王さまがマツを覚えていてくれたこと キリンの王さまがマツの夢と希望を叶えに来てくれたこと キリンの王さまは やっぱりキリンの王さまだった 悲しすぎて喉がギュウっとなっていたこともマツは始めて気がついた もう喉がギュウっとなることもなくなった 湖面に月が映る時、マツはあの日を思い出す いつの日か またきっといつの日か・・・
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