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キリンの王さまは堂々と校庭を見下ろしていた
マツが三年生になった時
キリンは危ないからと言って
登る事が禁止になった
朝の朝礼で牛乳瓶の底のようなメガネをかけた
教頭先生が何度も繰り返し
朝礼台上のスタンドマイクを掴み全校生徒に言い聞かせた
話終えた教頭先生は
朝礼台の正面で休めの姿勢で少し背中を丸めて
上目遣いで教頭先生の掴んだマイクを見ていたマツを
ぎゅっと睨むようにみた
マツは背中をピンと伸ばした
教頭先生は朝礼台から降りていった
銀色のマイクの先っぽが揺れていた
マツの小さな夢と希望は叶わなくなった
一瞬にして銀色のマイクに打ち砕かれた
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