花埋め

9/11
前へ
/11ページ
次へ
 だが、そんなことは関係なかった。  俺にとって、達郎が全てだった。  それ以下でもそれ以上でもなかった。  だけど。それは、俺だけじゃなかった。 「あっ……!」  シャツから見えていた達郎の首筋を軽く噛み、その後すぐ舌で舐める。  軽い前戯だが、達郎は小さく喘いだ。  震える体を、そのまま畳の上に押し倒す。 「待て……義明……!」  達郎は、慌てたように言った。 「どうした?」  俺は、くくっと笑って義人の体から顔を上げる。 「別に照れることはないだろう? こんな時間だ。誰も来やしない」 「だけど……」 「めでたい知らせの後は、やりたくないか?」  達郎は顔を赤くして、横を向いた。 「君は……うれしくないのか?」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加