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 ええと、仕事、仕事か。いつも何て答えたらいいのか悩む。たまに物販や案内係としても入るにしても接客ではない。専門職と言うには簡単だし。技術より慣れに近い。 「・・・・・・普通の、覚えたら誰にでもできる仕事です」 「何でもそうだと思うけど」 「まあ、確かに」  俺の返答に何か思うところがあったのか、それ以上は何も言われなかった。  入浴料とセットになっているらしい朝ご飯はロールパンとサラダとゆで卵とコンソメスープという意外に洋風なラインナップで(というか喫茶店で出てくるモーニングだ)、久しぶりに壜の牛乳を買った。落ち着いてしかも誰かと食事をするのは久しぶりだなあ、と思いながらゆで卵の殻をちまちまと剥ぐ。テーブルの端ではおじいちゃんがゆで卵を牛乳瓶にごんごん叩きつけていて、天板の上に砕けた殻が散っていた。 「でかい風呂はいいよね」 「そうですね」  目の前ではさっき会ったばかりのやたら綺麗な顔をした男がロールパンのオレンジ色の部分をはがして食べている。  いろいろな人がいる。  食べ終わって一息ついた頃にはもう太陽はしっかり上にいた。     
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